amazonを見ているときに、レコメンドに本書が出てきたのがきっかけで読んでみました。1997年初版ですが、私が見たときにはランキング1位になっていたので、何かで話題になったのかもしれません。
エルメスは憧れつつもまだまだ不相応(もちろんお値段も^^;)と思っていますが、エルメスには私の好きなマルタンマルジェラがデザイナーをしていた時期(1997~2003、通称マルジェラ期)もあり、いつかは手にしたいブランド。
馬具工房から1837年にスタートしたエルメス。
現代も変化のスピードが非常に早い時代ですが、エルメスが発展した時代は馬車から車への転換は度合いとしては非常に大きなものだったでしょう。
その中でも時代の潮流を読み、馬具から、鞍、そして鞍入れ(=バッグ)、手袋、ベルト、そしてスカーフと、変化に対応し続けたこと、顧客を常に考え、それを叶える最高の技術で作られた製品で対応をし続けたこと、運も味方につけながら今のエルメスに繋がるストーリーが綴られています。
何と言っても特徴は「マンガ」なことです。ページ数も少ないですが、誰でも簡単に読みやすい。本書に綴られていますが、「マンガ」というメディアだから社史にしようと思ったとのこと。
細かな内容についてはネタバレになりますので避けますが、最も感じたことは、このエルメスの時代の潮流を読み、変化を厭わない姿勢と実行が、日本の大企業に一番必要なことだなあということ。
(元エンジニア、ということもあり余計にそう感じるのです)
ブルックスブラザーズ展でUNITED ARROWS顧問の粟野さんのインタビューが放映されており、「変えてはいけないところを変えないために、変えるべきところを変え続ける」と仰られていました。
エルメスの場合は、職人の技術を最大限に活かして最高のものを作ることは変えずに、作るモノを変えた、ということになります。コアコンピタンスを明確に、それをどこで活かすのか。両輪で考えること。
言うは易く行うは難しの典型的な例ですが、エルメスのことがよくわかるようになっただけでなく、自分の仕事にもとても役に立つ内容でした。
読書感想文など書くのが非常に久しぶりで難しかったのですが、今後も気に入った本があれば自分の備忘も兼ねてご紹介できればと思います。
コメント
コメント一覧 (2件)
まるすけさん
お疲れ様です。
『エルメスの道』、私も読みました。
エルメスから依頼されて書いたというのもすごいんですが、少女漫画の女王なので、竹宮先生ということなのでしょうか…。
よく言われるのが、日本の少女漫画ってベルばらにしろ、アメリカテイストではなく、フレンチテイストなんですよね。
なぜ、なんだろう?とも思いますが…。以上、とりとめもなく、失礼しました。ではでは、失礼します。
しんのすけさん、コメントありがとうございます!
きっと、しんのすけさんはお読みになられていると勝手に思っておりました!
恥ずかしながら竹宮さんの他の漫画は読んだことがなく初めてだったのですが、フランスのイメージそのままの描画ですね、欧州への憧れってあるのかなとは思います。
アメリカテイストで描くとどうなるのかきになるところではありますが…笑。