革靴を分解して構造を理解する【ウェルト編】【グッドイヤーウェルテッド製法】

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Allen Edmonds Balticの分解、第二回になります。

前回まではソールを3枚おろしにしたところまできました。今のところ自宅にある普通の工具でなんとかなっていますが、果たして…今回はウエルトを剥がしていきたいと思います。

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コルクを剥がすと中底が

ソールは剥がされているのでレザーのスリッパのような姿に。前回も記載しましたが、ソールがないと革靴らしさがなかなかでないですね。意匠にも重要な役割を果たしているのがわかります。

シャンクのようなものを剥がし、コルクをとっていきます。

コルクは接着剤で固められているようで、なかなか取れず。ヒールの付近までとりあえず剥がしました。
ヒールにねじのような釘の役割をしているものはあったものの、他には一切釘がありません。他のサイトで見たところでは、クロケットのハンドグレードには50本近い釘が使われていることを考えると歴然とした差です。

構造はこんな感じです。
※中底の白い部分はリブテープ

ウエルトにある黒い点のようなものは出縫いの糸、白いのはリブとウエルトを縫い付ける用の糸ですね。アレンは中敷がなく中底が一体となっているのでそのあたりも気になってきます。

ウェルトを分解

すくい縫い糸を解いていきます。この作業、めちゃくちゃ大変です^^;

この糸はおそらく麻糸ですね。松脂はついてなさそうですが、柔軟性が高く非常に丈夫です。

実際に作業をしてみるとオールソールの大変さが良くわかります。

ウエルトがばずれてきたところで断面を。 ストームウェルトは一枚の革を裂いて作られているのがわかります。どうやって作っているのかな、と思っていた部分なのでスッキリしました^^

ある程度解いたら、後はカッターで切り離していきます。  

ぐるっと一周して、ウェルトの切り離し完了! すくい縫いが非常に頑丈で、ちょっとやそっとじゃ取れない、ということが良くわかりました。またウェルトの構造、アッパーとの関係性も理解が深まり良い勉強に。

オールソール高いなあ、なんて言ってられないこともよくわかりました^^;

次回は中底をはずしていきます。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • まるすけさん

    おお、なかなか大仕事になってきましたね。

    ストームウェルトって、こういう構造なんですね。耐水性のために、こんな複雑な構造にするとは、アメリカ人の魂を見ましたね。

    ソールの釘も、固定のためで、コルクでクッション性を確保しようとしているのがわかる。

    ぼくもマニア野郎ですけど、ちょっと、外周りばっかり見てるかんじで、反省ですね。
    アレンが、クッションにこだわってるのは、よくわかりました。

    引き続き楽しみですね。

    • しんのすけさん

      コメントありがとうございます。

      ストームウェルト、面白い構造ですよね。ネット等で調べてはいたものの、やはり実際に見ると違います。
      なんとなく、理解しているつもりになっていたところが多いのですが、今回分解してみて理解が深まった、もしくは新しく知識となったところが多いです^^あと2回更新予定です!

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