The Asakusa Cobbler 仮履き靴のテスト(浅草コブラ―オリジナルシューズ)

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2週間前に完成したThe Asakusa Cobblerのプレミアムオーダーシューズの仮履き靴。
店主の石郷岡さんから「数回履いてみて、そこから本番靴への改善点を出していきましょう」とご提案いただき3.5日ほど履いてみました。

-MTO- The Asakusa Cobbler 仮履き靴完成

アップチャージで仮履き靴を履けるように9分仕立てで仕上げてくれるAsakusa Cobblerのビスポークならではのサービス。
仮履き受け取りの際にももちろん浮いているところなどの改善点は出していただくのですが、革靴は履いて歩いてみないとわからない点も多いものです。

特に私はかかとの抜けが気になる場合が多く、履いてソールの返りがついてくると抜けなくなる場合と合わない場合が出てくるのでこのサービスは非常にありがたいなと思います。

3.5日(おおよそ35時間)履いたものがこちら。
トゥの削れは見られますが、新品時に比べて少しこなれた雰囲気になってきています。

当然ながらデザインをはじめとして気に入っているので、細かな点にはなりますが履いてみての良い点と改善点を備忘録として。

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良い点

履き心地

ストレートに「良い」です。
受け渡しの時に気になっていた踵の抜けは初日でほぼ解消。履き始めはどこかしら痛くなることが多いのですが、痛いところも革が馴染むにつれて問題なしに。

今回はヴェヴェルドウエストのため、ヒールカウンターロングもセット。
上図の赤丸部分にもヒールカウンターの芯を伸ばしているので、ここの部分は硬めですが、歩行をしっかりと支えてくれます。

こちらもヴェヴェルドウエストのためセットでついてくる中底の踏まずマクリ加工。
写真だとわかりずらいかと思うのですが、踏まずの部分がグッと持ち上げられており、歩行時に心地よく踏まずを刺激してくれます。

この2つの仕様は履き心地に大きく関係していると思われ、お願いしてよかったと思う仕様です。

マローカーフ

この靴の特徴でもある、デュプイのマローカーフ。あまり靴に使われることはなく期待半分・不安半分ではありましたが杞憂に終わりました。
ご覧の通りスムースレザーと思いきや、細かな水シボが入っています。思ったよりも光沢感が強めですが、もう少しこなれてくると光沢も落ち着きまた違った表情を見せてくれるのではと期待しています。

今回は仮靴なので革の端を使って作られているためトラが入っていますが、本番靴ではもちろん注意して作成いただけるとのことです。楽しみ。

履きジワが左右対称

最終的にはきこむとそこまで気にならなくなるポイントではあるのですが、意図せずともほぼほぼ左右対称に入っています。
レディメイドでここまで左右対象に入ったことは今までなく、ビスポークならではでしょう。

ソールの材質

ソールの材質は標準のイタリア製ソールを選択しています。
履いてみて減り具合や感触などを見てレンデンバッハに変更なども考えていたのですが、減りも少なく歩く感触も良かったため、このまま標準でも十分と判断。

改善点

フィット感

「はき心地が良い」にやや相反する話ではあるのですが、改善したい点もいくつか。

足の前半分は吸い付くようなフィット感なのですが、ヒールはフィット感が物足りず。
また、履き口と甲の部分にわずかに浮きがみられるのでここも改善したいところです。

上記は受け渡しの際にもお伝えしたのですが、履いてみてもやはり同様の感想。
※とはいえ、レディメイドであれば問題ないと感じるレベルです。

踏まずの部分ももっと攻めてもいいかもしれません。

合わせて、ライニングは標準の国産を選んでいるのですがデュプイのライニングに変更するのも手だとのこと。密着感があるのが好きなのでアップチャージを考えようと思います。

デザイン(トゥ、コバ)

全体的な靴の雰囲気などはオーダーのイメージ通りで申し分ないのですが、細かな点ではこうしたいなあというのがいくつか。

まずはトゥの部分。
チゼルトゥでお願いしたのですが、よりメリハリが出るように、ストンと急角度をつけて落とす方がやはり好み。
ラストの調整がトゥだけですまない可能性もあるそうなので、そこはバランスを考えて決定したいと思います。

コバのハリももう少し押さえ込んでもらい、よりエレガントに仕上げたいところです。
とはいえ、削りこみすぎてもリペアが大変になるので、0.5mm程度の気持ちレベルで。

さあ本番靴へ

改善点はいくつかあるものの、総じて気に入り大変満足度の高い仮靴となりました。
仮靴というには勿体無いくらいのクオリティ、今後も長く付き合っていける靴ですので気負わずどんどん履いていこうと思います。

今日これからAsakusa Cobblerさんに伺い、本番靴の制作を依頼してきます。
もう少し、このシリーズにお付き合いいただければ幸いです。
※本番靴ではより詳細をお伝えします。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 私の知ってるヒールカウンターロングは下部から土踏まずまで伸びたものですが、こちらは上部(履き口)まで伸びているんですね?ビスポークならではですね。既成靴なら絶対に合いませんからね。贅沢ですねえ。
    中底の踏まずマクリ加工は以前作った時に迷ったんですが、結局しませんでした。こちらの記事と画像を見て少しだけ後悔しています。
    仮靴は、京都のハンザワさんと東京のカビリアさんでしたことがありますが、片方だけで、しかも不完全な仮靴でした。こちらとは全然モノが違います。これだけの仮靴があると、さらなる改善に向けて変更がどんどん出てきちゃいますね。楽しそうだなあ。
    トゥも変えるのであれば、本靴はかなり違う雰囲気になるでしょうね。
    でもそのほうが、仮靴も完成度の高い別の靴になりますから、本当に一粒で二度おいしい靴になりますねえ。
    出来上りが楽しみです。人の靴なのに(笑)

    • なおけんたさん

      コメントありがとうございます!

      はい、ヒールカウンターロングは履き口まで芯が入ってます。最初は硬いのですが慣れるとしっかり支えてくれるのでとても良いです。
      仰られるようにレディメイドではなかなかない仕様だと思うので贅沢ですよね。

      マクリもおすすめです!FSPなんかのアーチサポートと感覚的には似ていますが、足により合っている分、フィット感も抜群です。

      普通、仮靴は履くものではないですからね^^;コブラーさんが特別なんだと思いますが、
      これだけ嬉しさがあるならまたコブラーさんで…と自然となりそうです。

      ぜひ、続編もご覧になってください、ありがとうございます!

  • まるすけさん、

    こちらに初めてコメントさせて頂きます。

    実は私も前々からロングバンプが気になっていて、asakusa cobblerさんにお願いしようかと思ってました。

    先日cobblerさんで、まるすけさんの仮靴拝見して、どこかにシームを入れなければならない旨を聞きました。

    ロングバンプ、気になり始めたきっかけがJohn Lobbの2009のイヤーモデルでして。
    https://openers.jp/fashion/fashion_men/7661

    このモデルに関してはシームがないと記憶していたので、Cobblerさんの話を色々調べてみました。

    本当にシームはないもののかなり特殊な造りになってるようでした。
    というかロングバンプでシームがないことも大きな売りのようでした。

    ちなみに型紙からアッパーを起こす動画が残ってました。
    https://youtu.be/6QcaEr2kgvo

    世界最高の職人たちの技術を結集して作ったモデルなので、この動画を見て一朝一夕に真似できるとは思いませんが。

    ご参考になればと思ってコメントさせて頂きました。

    私も他人の靴ながら、本番靴の完全楽しみにしております!

    • yukistagramさん、コメントありがとうございます!

      ロブのロングヴァンプのモデル、とても素敵ですよね。
      教えていただいた動画、とても興味深いです。パターンからどんな靴ができるのか想像もつきませんでしたが、一枚の革を巻きつけて靴にできるとは…
      SAINT CRISPIN’Sも確かシームのないロングヴァンプのモデルがあったように思いますが、緻密に計算されたパターンと職人の腕がかけ合わさってできるものなんでしょうね。
      ※とはいえ、石郷岡さんに相談したらやってくれそうな気も…笑

      yukistagramさんの本番靴も楽しみですね^^インスタでもこちらでも、引き続きよろしくお願いいたします!

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