既製靴の最高峰ともいわれる東欧ハンガリーの靴メーカー、VASSの第六弾はロベルト・ウゴリーニ氏制作のイタリアンラスト、Sラストです。
こちらは11月に行われたBlack Fridayで購入したものです。
このSラストのホールカットはオンラインストアに登場したのは7月ごろ、新作として掲載されていました。
そのためBlack Fridayのセールにまさかかかるとは思っていなかったのですが、こちらも漏れなく対象になっており、Sラストを試してみたいという気持ちそのままに購入。
※BPラストのPTBとも迷ったのですが…
第五弾までのF、P、P2、K、Uラストに続き、このポストではWholecutモデルの詳細、Sラストのサイズ感、かかる関税などもお伝えいたします。わけあって他のラストよりも短めですが、ご参考になれば幸いです。
Wholecut Sラストの詳細
今回購入したBudapest Oxfordはこちら。
いつもの通りハンガリーから到着してサイズ確認のための試着後に撮影したものです。
ご覧の通り形は内羽根のホールカットでセミスクエアトゥ。ノーズは長めでKラストに近いイメージです。
名称もシンプルにWholecut、メダリオンが大きめでホールカットののっぺりさを打ち消しています。
革はブラウンミュージアムカーフ(Brown Museum Calf)
FラストのItalian Oxfordに使われているGold Museum Calf、KラストのLondon-3eyeletに使われているWalnut Museum Calf、UラストのBudapest-Oxfordに使われているBlue Museum Calfと同様にイルチアのミュージアムカーフです。
ブラウンベースながらパープルやボルドーが入っているように見え、妖艶で華麗な色合い。ホールカットということで革の美しさが際立ちます。
Walnut Museum Calfなどと同じくやや薄めでつるつると質感の革です。
サイドビュー。
1の甲から急激に立ち上がっている様が見て取れるかと思います。
今までのラストは急激な立ち上がりはあまり見られなかったのに対し、このSラストの特徴的な部分といっても良さそう。
ヒールはドッグテイル。かなり大きめのドックテイルですね。
F、P、P2、K、Uと、今までご紹介してきたラスト同様にヒールカップは綺麗な形状をしており治りが良さそう。
ソールはもちろんレンデンバッハです。
写真からも詰まった密度が高そうと感じます。ギュギュっと詰まったソールは本当に削れにくい。
毎度お馴染みの純正シューツリー。
Sラストの形に合わせて、ノーズが長めに取られていることがわかると思います。
こちらもいつもと変わらず、隙間なくピタピタのツリーというわけではないですが^^;
小窓なしのライニングに直書きのサイズ表記、インソールのフルソックは今までのご紹介した物と変わりません。
ホールカットということで革の美しさが強調され、長めのノーズとトゥのメダリオンがあることで非常に華麗な靴に仕上がっていると思います。
Sラストの特徴
今回のWholecutはSラストです。
Fラスト、Kラスト、Sラスト同様に、ロベルトウゴリーニ氏が作ったものでいわゆるイタリアンラストの1つになります。
流線型でシュッとした、というような例えがマッチする形。先ほどご覧いただいたように、1の甲からの立ち上がりは急激に取られていて、細身なのに甲の高い人でも履けそうな形状をしています。
正面から見ると2の甲あたりの捻れはしっかりと取られているところはUラストなどと変わりません。
ソールから見てみるとKラストに似ている雰囲気を持っています。
サイズ感や履き心地は後述しますが、全体的に細身ながらも甲が高めで、横方向の細さを高さ方向で吸収するような形かと思います。
Sラストのサイズ感
ラストまで見たところで、早速試着。
私はUK7E、US7.5D、25.5cmを選ぶことが多いですが、以前、VASSにサイズ感を問い合わせた際に、Fラストで40.5ならイタリアンラストのU,K,Sラストは同サイズで基本的にOKと聞いたため、サイズは40.5(UKだと6.5に相当)を選びました。
ラストの特徴から、私の足にはフィットするか怪しいと思っていましたが写真の通り、羽根は閉じ切り、それでも甲には隙間を感じるほど。足首のあたりにも大きな隙間が空いてしまっています。足のインサイド側は悪くないフィット感ですが踏まずの突き上げも少しものたりません。
1の甲付近まではまずまずのフィット感ではありますが、その先は隙間を感じる部分が多く…今まで、VASSのラストで合わないな、と感じたものはなかったのですが、こちらのSラストは残念ながら私には合いそうにありません。
甲が高めでガッチリとした足の方が、細身の靴を選ぶときには良いラストかなあと感じました。
私の足の場合ですが、サイズ感の参考になれば幸いです。
※私が履いたことのある靴のサイズ感は以下をご参照ください。
購入先、価格と関税
こちらもVASSのオンラインショップから購入しました。購入費用は以下の通りです。
※1ユーロ=127円で計算しています。
靴 | €278 → ¥35,306 |
送料 | €0 → ¥0 |
関税 | ¥6,700 |
合計 | ¥42,006 |
関税も今までと同程度、先の通りBlack Fridayセールで40%オフ、さらに2足以上購入で送料無料でしたのでかなりお安く購入できました。
※もう1足は盟友gohkitiさんを巻き込んで…^^
2021/1現在、一部のモデル以外は通常価格に戻っていますが、Black Fridayなどは狙い目かもしれません。
まとめ
VASS Sラスト Wholecutモデルのご紹介でした。
改めて靴の仕様・価格などをまとめると以下になります。
モデル名 | Wholecut |
革 | イルチア ブラウンミュージアムカーフ |
ラスト | S |
ソール | レンデンバッハ |
付属品 | 純正シューツリー |
サイズ | 40.5 |
価格 | ¥42,006 |
靴の美しさや作り込みは相変わらず素晴らしいのですし履いて街を歩きたい…ですが残念ながら私の足には合わなかったためやや薄めのレビューとなってしまいましたが、Sラストの購入を考えている方のご参考になれば幸いです。
コメント
コメント一覧 (4件)
お久しぶりです。
Sラストは甲が高いんですね?
私の足は「甲が高めでガッチリ」してますが・・・幅も広めですから厳しいかな?
先日の私のブログに、VASSのラストについての記事をのせました。VASSにメールで大雑把に聞いた程度で自分が実際に試したわけではありませんが、メールの内容から、同じサイズで較べた場合こサイズ感は
(3636、BP、P)
>(F、P2、R)
>(S、K、U)
という感じのようです。
しかし、まるすけさんが聞いたのでは F=(S、K、U)なんですね。
私に回答してくれたのはセールスマネージャーのMs. Reka Tarpataki さんでしたが、スタッフによって言うことが違うんでしょうかねえ。
まあ、私の場合、BPラスト43がこの上なくピッタリなので、他のラストに浮気しない方がいいのかなとも思うんですが、やっぱり試してみたいですよねえ。
なおけんたさん、コメントありがとうございます。本年もよろしくお願いします!
Sは今まで試した中だと1番甲が高い印象です。
幅も見た目ほど細いとは感じませんでした。
私も同じセールスマネージャーに回答してもらったと思いますが、外羽根と内羽根の差もあるかもしれません。
問い合わせした際に、外羽根から内羽根にするならハーフサイズアップしても良いかも、といった旨を教えてもらいました。
また、VASSは個体差が結構あるようにも感じます^^;
そうなると、現物で試すのが一番ですがなかなか日本だと試せる場所も少ないですし、無い物ねだりになってしまいますね^^;
まるすけさん、こんにちは!Sラストのレビューお疲れ様でした(^^)。
ラストも端正でホールカットというのも大変魅力的だっただけに残念でしたねぇ。
ブラウンミュージアムカーフ同士、お揃いで履けるかな?なんて思っていましたが、
結果的に私だけ美味しい目に遭ったようで、何だか申し訳ないです。。
個人的に今回のFラストはすっかり気に入ってしまいました。
また次回チャンスがあればぜひ!
gohkitiさん、コメントありがとうございます!
いえいえ、一緒に注文していただいたおかげで送料もかかりませんでしたし、
靴自体は残念でしたがgohkitiさんが気に入って履いてくださっているのであれば私は嬉しいです^^
ぜひブラウンミュージアムカーフのエイジングを教えてください!今後も何かあればご一緒しましょう〜