妖艶プレーントゥ!VASS London-3eyelet Kラスト【サイズ感とレビュー】

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既製靴の最高峰ともいわれる東欧ハンガリーの靴メーカー、VASSの第四弾はロベルトウゴリーニ氏制作のイタリアンラスト、Kラストです。


おいおい、またVASSかよ…なんですがお付き合いください笑


こちらは6月ごろに購入したものですが、秋冬のコーディネートに映える色だろうということで、今まで寝かせていましたが涼しくなってきたので先日プレメンテをして履きおろしをしました。


イルチアのウォルナットミュージアムカーフは細身のラストとあわせて何とも言えない色気を持っており早くも魅了されています。


第三弾までのF、P、P2ラストに続き、このポストではLondon-3eyeletモデルの詳細、Kラストのサイズ感、革質、かかる関税などもお伝えいたします。ご参考になれば幸いです。

Contents

London 3eyelet Kラストの詳細

今回購入したLondon-3eyeletはこちら。


いつもの通りハンガリーから到着してサイズ確認のための試着後に撮影したものです。


ご覧の通り、形は外羽根のプレーントゥでノーズは長め。


VASSでは外羽根のプレーントゥはLondonというモデル名で、アイレット数が3と5のものがあるようです。


アイレットの間隔がかなり狭いのが特徴的なVフロントで、羽根を少し浮かせて履きやすさを追求、基本羽根は閉じるのがデフォルトなつくり。

革はウォルナットミュージアムカーフ(Walnut Museum Calf)


FラストのItalian Oxfordと同様にイルチアのミュージアムカーフです。


やや薄く、そして柔らかいのは同様ですが、こちらは顔料感はあまり感じず、透明感があって美しい革です。


出し縫いは今までと同じく細かくありませんが、目付けはしっかりとされていて端正なアッパーとのギャップが良い。


また、トゥが細身のスクエアトゥでFラストやPラストと比較すると差が際立ちます。

サイドビュー。


Kラストはトゥに向かって立ち上がっていく形をしています。


ボールジョイントより先は高さも確保され、ヴァンプから甲にかけての立ち上がりも緩やかです。

ヒールはシームレスヒール。


F、P、P2と今までご紹介してきたラスト同様にヒールカップはとても小さく設計されており、フィット感に期待が持てます。


かかとのホールド感は履き心地にダイレクトに効く要素だと思いますし、VASSはいずれもかかとの抜けがなく優秀です。

ソールはもちろんレンデンバッハ、そしてチャネル仕上げ。


何度も書きますが、やはりレンデンバッハのソールは非常にしなやかで削れにくい。


歩いていてもギュッとしまっているのを感じることができます。

もちろん純正シューツリー付き。


Kラストの形に合わせて、トゥがかなり細身に作られているのがお分かりいただけるかと思います。


実はFラストなどもそうですが、純正シューツリーとは言いつつもぴったりと吸い付くようなフィット感ではないのですが、純正のツリーはやはりカッコ良い。

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小窓なしのライニングに直書きのサイズ表記、インソールのフルソック使用もItalian OxfordやSlipperと変わらず。

もう一度サイドビュー。


何故わざわざもう一度サイドビューなのかと申しますと、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、この靴はスペードソール仕様になっています。


https://vass-shoes.com/unique-sample-pairs/

この靴は、VASSのオンラインストアのUNIQUE SAMPLE PAIRSから購入した物です。


UNIQUE SAMPLE PAIRは名前の通り、サンプル品や店頭品、MTOキャンセル品などが並ぶ物で、ものによっては小傷があったりする物もありますが、通常品ではみられないコンビの靴や、今回のように一部仕様が変わっていたりしています。


基本1点ものでサイズが大きい物が多いのですが、パープルやグリーン、今はもう売れてしまっていますがゴールドの靴や、オーストリッチなどのエキゾチックレザーを使ったものなども出ていますので、上記リンクをぜひご覧になってみてください^^

Kラストの特徴

今回のLondon-3eyeletはKラストです。


第一弾のFラスト同様、ロベルトウゴリーニ氏が作ったもので、個人的には最もイタリア靴っぽい雰囲気が出ているラストだと思います。


細身ですっきりとしており、ややノーズは長めのスクエアトゥ、Vフロントとの相性が非常に良いラスト。


クラシコイタリアとの相性が抜群な1足です。


ソールからも細身のラストであることがお分かりいただけると思います。


細身ながらも窮屈に感じさせないのはVASSのすごいところ。


サイズ感や履き心地は後述しますが、内振りが効いており、ウエストの絞りもかなりしっかりとしています。

プレメンテ

プレメンテはいつも通り3日間プレメンテを実施しました。


今回使ったクリーム類は以下です。

  • デリケートクリーム:サフィールノワール ナッパデリケートクリーム
  • 保湿クリーム   :ブートブラック リッチモイスチャー
  • 油性クリーム   :サフィールノワール クレム1925
  • ソール      :ブートブラック レザーソールコンディショナー



メンテにしっかりと応えてくれる革で、キメも細かく綺麗に光ってくれます。

プレメンテしたことで革にハリが生まれ、みずみずしく透明感のある雰囲気に。コードバンに見えるほど濡れた感じが出ていて◎


ミュージアムカーフのムラ感を殺さないように、当面はニュートラルでのケアを継続してみようと思います。
※3日間プレメンテは以下をご覧いただければ幸いです。

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Kラストのサイズ感

プレメンテをしたのちに履き下ろし。


私はUK7E、US7.5D、25.5cmを選ぶことが多いですが、以前、VASSにサイズ感を問い合わせた際に、Fラストで40.5ならイタリアンラストのU,K,Sラストは同サイズで基本的にOKと聞いたため、サイズは40.5(UKだと6.5に相当)を選びました。

VASSからの回答通り、Fラストで40.5を履く私は40.5でジャストかなと感じます。


ご覧いただいた通りKラストはかなり細身のラストですが、1の甲は低くはないのでウィズの細さを高さ側で吸収するようなイメージです。Fラストよりも2の甲は低めにできていて、ヴァンプと足の距離はあまりありません。


私の足には1の甲が低いとより良いのと、細いラスト故か履き口がわずかに笑ってしまうこと以外は、かかとのホールド感もよく履き心地も良いです。


ここまでVASSを履いて共通しているのは、全てにおいてかかとがしっかりとついてきてくれること。


特に、今回はスペードソールでシングルソールよりも返りは悪いはずですが、履きはじめからしっかりとかかとがついてきてくれます。


私の足の場合ですが、サイズ感の参考になれば幸いです。
※私が履いたことのある靴のサイズ感は以下をご参照ください。

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革質

FラストのItalian Oxfordと同様に、こちらもイルチアのミュージアムカーフ。


触った感じは薄く繊細で艶もみずみずしい。ケアにもしっかりと応えてくれる革です。


シワは細かく折れるようなシワは入らずに上品なシワ。


履き込むとこの色味がどう変化していくのか、Italian Oxfordのゴールドミュージアムカーフ同様にエイジングが非常に楽しみです。

購入先、価格と関税

こちらもVASSのオンラインショップから購入しました。購入費用は以下の通りです。
※1ユーロ=123円で計算しています。

€325 → ¥39,975
送料€40 → ¥4,920
関税¥6,500
合計¥52,395

関税も今までと同程度。


ハンドソーンという製法の面からも、レンデンバッハ、イルチアのミュージアムカーフという素材の面からも(おそらく中底なども)、十分に値頃と言える価格だと思います。


国内定価15万程度で売られているのが通常でしたから、もうそこには戻れませんね^^;

まとめ

VASS London-3eyeletモデルのご紹介でした。

改めて靴の仕様・価格などをまとめると以下になります。

モデル名London-3eyelet
イルチア ウォルナットミュージアムカーフ
ラストK2
ソールレンデンバッハ
付属品純正シューツリー
サイズ40.5
価格¥52,395


まだまだ真価がわからないところではありますが、今回も非常に満足度の高い物となりました。


さて、VASSはもうお腹いっぱいと思いきや、代表ラストのあのラストがまだ揃っていません。


ということで第五弾もありますので、しつこいようですがお付き合いいただければ幸いです!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • まるすけさん、こんにちは!
    「コメントを書き込む」ボタンを押しても反応しないと言ってしばらくコメントできておりませんでしたが、Firefoxではいまだ反応しませんでしたが、EdgeとCromeで何度かやったところ反応してくれました。お騒がせしました。今後Cromeを使います(汗)。

    先日もお会いした際に話題になったVASS、もはや「赤字なのでは?」と目を疑うほどのクオリティの高さ、これでまさかのツリー付きですから、まるすけさんがVASSに心酔するのもわかる気がします。
    特に今回は3アイレット、自分がボレロにオーダーしている靴も3アイレットなので、やっぱり良いなぁと思いながら拝見しておりました。スペードソールというのも面白く、装いの幅が広いのも嬉しいですね~。
    自分も何かいい靴はないかとついサイトを探してしまい、幸い見つからずにホッとしたような残念な複雑な心境です(おっと、探さなくていいですよw)。
    第5弾も控えているとのことでまるすけさんのこのところのビン靴からオーダー&VASSへのローテーションが激しく、ブログを読む方としては引き続きワクワク!楽しみにしています(^^)。

    • gohkitiさん、こんばんは!コメントありがとうございます。

      コメントの件、お手数おかけしましてすみません。試行錯誤頂きありがとうございます!

      VASSはとんでもないですね…先日もお話ししたような気がしますが、RTWは全部VASSにしてしまいたいくらい気に入っています。
      欠点を上げるとすれば靴紐がいまいちなのと、ツリーのフィット感がもう少し欲しいことくらいでしょうか。
      私はビンテージシューズでアイレットが多いものを好んでいたのでアイレットが少ないものはチャッカブーツくらいだったのですが、足元がすっきりとしてアイレットが少ないのもとても良いですね。

      あ、ちょうどまたセールが始まったみたいですよ、とんでもないのが…(沼に引き込む気満々です笑)
      楽しんで頂けているのであれば嬉しいです!私としては複雑な気持ちになるときもありますが、いろいろと方向性が見えてきました!

      引き続きよろしくお願いいたします!

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