このブログでは初登場となるグレンソン。
創業は1866年と長い歴史のあるメーカーですが、日本ではあまり見かけないメーカーです。
派手さは無い印象ですが、
かつてはエドワードグリーンのOEMやエギゾチックレザーの靴を出していたり
ニックウースターが履いていたり
トリプルウェルトの戦車のように重厚な靴を作っていたり
アーカイブコレクションという20世紀当時の靴を再現したコレクションがあったり…
魅力的な靴を作っているメーカー。
※派手さは無いと言いつつ、現在のカジュアルラインG-Twoはかなりカジュアル。
今回ご紹介するMACCLESFIELDは、昨年出張時に未使用品を見つけて購入したもの。サイズ感がかなりタイトのためしばらく寝かせてしまっていました^^;
ですが家での履きならしをする時間があるので、履きおろしすることにしました。まだプレメンテもしていない状態ですが、ご紹介させてください。
MACCLESFIELDの詳細
タイトルに記載の通り、装飾はキャップと羽根のブローギングのみと引き締まった印象のクオーターブローグです。
パンチドキャップトゥやセミブローグはあっても、クオーターブローグはなかなか見つかりません。立ち位置的になんとも言えない靴だからかも。
シューレースと羽根のブローギングの位置などとてもバランスが良い。
靴の顔であるトゥの形状はややラウンドしたスクエアトゥ。
キャップは割と大きめですが、コバの張り出しが抑えられており、ノーズも長すぎないので全体のバランスがとても良い。
グレンソンはアノネイのボカルーを使っているものが多いそうですが、この靴もボカルーかな?革質は特筆して良いわけでは無いですがもちろん悪くもありません。ただ、結構硬いです。
縫製はとても堅実で丁寧。ソールはシングルソール、ヒールはやや低め。ドッグテイルではなく英国靴によくある処理。
ヒールカップは丸みはそこまでありませんが高さがそれなりにあるためホールドされる面積もあります。下の写真で見るとヒールの低さは際立ちますね。
ラストは103ラスト。グレンソンの社長、ティムリトルさん監修のビスポークに寄せた現代的なラストだそうで。上の写真で靴が傾いているように見えるかと思いますが、しっかりと捻れていて、内振りでウエストもしっかりと絞られています。
チャネル仕上げ、ラバーのトップリフトで実用性は抜群です。普通に使っていればまず消えないところにブランドの刻印がされているところも◎
ウエスト部分の出縫い。これ、めちゃくちゃ綺麗です。
当然のごとくピッチは一定でかなり堅牢に縫われてます。グレンソンはよくエドワードグリーンを意識している、ということが言われますが、負けず劣らず、出し縫いの綺麗さはピカイチでは無いでしょうか。
うーん、とても造りの良い靴です。素晴らしい。
サイズ感
サイズは7Eです。私はUK7E、US7.5Dを履くことが多いのですが、このラスト103は革が硬いこともあり非常にタイトに感じます。
ですが、つま先が当たるわけではないため、履き込んで馴染ませていけばフィット感はよくなっていくと思われます。
プレメンテと履きおろし
硬い、しっかりしている革なのでプレメンテを入念にして、革を柔らかくしてから履きおろしをしました。
プレメンテは3日間かけて実施する、御手洗メソッドというモノで実施しとても良い状態で履きおろしをすることができました。
詳細は以下のリンクにまとめていますので、ご覧いただければ幸いです。
まとめ
タイトルにある「剛健質朴」は「飾り気がなく素直で、心も体も力強く頼もしいこと」
まさにこの靴にぴったりの言葉だと思います。紛れもない英国履ですが日本の靴にも似ている印象です。
まだまだ履きこなせていませんが、どんどん履いて一線級の活躍をしてもらいたいと思います。
コメント
コメント一覧 (6件)
こんにちは!
グレンソン、直営店で見たときはトリプルウェルトやスニーカーのようなカジュアルなラインが多いイメージでしたが、こういったクラシックなものもあるんですね。端正な佇まいで格好いいです。今は室内でじっくり履きならせますね笑
kaisei_yaさん、こんにちは!コメントありがとうございます。
オンラインとかでみてみてもなかなかドレスシューズにたどり着かないですからね^^;
日本だとそもそもみることが少ないブランドですので、現地の様子などがみられるのはとても羨ましいです!
室内で履きならさないと確実に足が死にます笑。プレメンテ念入りにして履き下ろそうと思います!
昔のグレンソンはかなり野暮ったい靴が多いようですね。
大塚製靴がチャーチと決別した後に選んだころのグレンソンは「質実剛健」「朴訥」という言葉がよく当てはまるような靴で個人的には大好きでした。
「マスターピース」シリーズは明らかにグリーンを意識していてカッコ良かったですね。
ティムリトルさんが手がけるようになってからはさらにデザインに力を入れているようですね。個人的には今のグレンソンの靴には馴染めないものも多い(もちろんいいと思う靴もあります)ですね。
こちらの靴はマスターピースの影響なのかティムリトルさんの影響なのか、すごくバランスの良いシルエットに見えます。どこに履いていっても文句を言われない安心感のある靴だと思います。いいですねえ。好みです。
グレンソンは、時間をかけて進化し続けているメーカーなんでしょうね。クラシックな靴は絶対に続けて欲しいと思いますが。
なおけんたさん、こんにちは!コメントありがとうございます。
サージェントといいグレンソンといい、良い靴なのになあ・・・というブランドに惹かれてしまいます。
マスターピース、手に取ったことがなく一度で良いのでみてみたいんですがそもそもの数も少ないでしょうし、気長に探してみようと思います。
今のグレンソンのオンラインストアを見ると、いわゆるG-Twoのものが前面に出ていて、そこに少しアーカイブがあるかなといったくらいで、ちょっと寂しいなと勝手に思っています。
今回のMACCLESFIELDはよくSuper8さんとかで表現される、ゴリマッチョ、というのがぴったりです。
クラシックな雰囲気はしっかりと残しつつ、ラストは進化を遂げる、という靴がもっと前面に出ると良いのですが。。。
マスターピース名義のものはかなり少ないと思います。ただNew&lingwood やポールセンスコーン(両方のダブルネームが多いです)、スチュアートチョイス(ポールスチュアートの高級靴ライン)はマスターピースが多いので、こちらの方が見つけやすいでしょう。上記の靴は以前はグリーン製だったと思いますけど。グリーンのように小窓が付いていますがグリーンのそれより大きい小窓ならマスターピースです。ご参考までに。
なおけんたさん、ありがとうございます。
New&Lingwoodとかまで含めれば確かに範囲は広がりますね。
アウトソールの半カラスパターンとかもかっこいいんですよね~。小窓の具合もグリーンを意識してるのかなとも思います。
靴の探求は終わりませんね…!