先日、完成して受け取ったArch KerryのフラッグシップモデルS-811
SUPER8SHOESさんでトライアンフの装着が完了、早速プレメンテ、履き下ろしをしました。
経年による革の劣化は避けられないビンテージシューズ、古いものは割れてしまうこともある(何度か経験済み)ため、恐る恐る履いていましたがアーチケリーはそんな心配は無用。
タンカラーで足に合い、かつ状態の良い物に縁のなかった私にとっては、このArch Kerryの履き下ろしは念願たる物でした。
SUPER8SHOESでトライアンフを
最近スチールを付けずにそのまま履くことも多くなってきたので、そのまま履こうかなとも思ったのですが、SUPER8SHOESさんにも見ていただきたくて一緒にトライアンフをお願いしました。
LULUのスチールもまだ在庫はありましたが、タンカラーの雰囲気に一番会うのはトライアンフでしたのでこちらに。
相変わらず綺麗に仕上げてくださり感謝。
堀口さんとは、当時のビンテージシューズを見ながら色々と会話して。
このArch KerryのリペアはS8Sさんで今後もお願いしたいと思っています。
プレメンテ
続いて、プレメンテ。
いつも通り3日間にわけてじっくりとプレメンテを実施しましたが、いつもとはちょっと趣向を変えてビンテージシューズのケアによく使っていたものを使いました。
- 汚れ落とし :タピール レーダーオイル
- 油分補給 :タピール レーダーオイル
- 保湿クリーム;タピール レーダーフレーゲ
- 仕上げ :サフィール クレム ニュートラル
今回のレージングカーフはもともと非常に柔らかいため、いずれも分量は少なめ。
もっちり感が出て準備万端です。このS-811も当面はニュートラルのクリームで補色せずに履いて行こうと思っています。
履き下ろし
プレメンテが終わったその日に、履き下ろしました。
いやー、たまりません!念願のタンカラーを何も気にせずに履ける喜び!
写真で見てみても、7アイレットのバランスも良いし、ハンドの目付けに生成りの出し縫いも◎
そしてとにかくレージングカーフが柔らかいので、足馴染みが初めから素晴らしいです。
ソックスも少し厚手のソックスにすることで羽根の開きもいい感じ。
Shirt : Brooks Brothers
Tie : Brooks Brothers
Pants : GBS Trousers
Shoes : Arch Kerry
なかなかスーツに合わせるのは難しいかなと思いつつも、ジャケパンであればと、受け取りの際とほぼほぼ同じ合わせ方ですがジャケパンで合わせてみました。
個人的にはタンカラーの靴が悪目立ちせずにバランス取れたかなあと思っています。パンツはデニムでも良さそうですね。
シワもとっても繊細に、雰囲気的にも当時のビンテージシューズと似た形になっているのでは?と思います。
この柔らかいレージングカーフ、今後どうエイジングしてくれるのかが楽しみでなりません。
フィッティングとサイズ感
外見が注目されがちなArch Kerryですが、履き心地の良さもかなりのものです。履いて感じた特徴は以下の通りになります。
- アッパーが柔らかく馴染みが良い
- 踏まずの部分の突き上げが程よく心地よい
- 踏まずと2、3の甲でホールドしウィズは余裕あり
- かかとは少し余裕があるが、抜けることはなくついてくる
- 割れることを恐れない精神的な楽さ
それぞれ簡単に書いてみます。
1.アッパーが柔らかく馴染みが良い
こちらは何度も記載していますが、大東ロマンのレージングカーフは本当に柔らかい。
レザーのライニングも付けていますが、アンラインドなのかと思うほど履き心地も優しい。
質感も今まで手にしたことのあるフローシャイムのランブラーなどに近い、シワの雰囲気も良しととても気に入りました。
国産のレザーというのもまたいいですよね。
2.踏まずの部分の突き上げが程よく心地よい
Foot-So-Portのようなオーソペディックシューズまでとはいかないものの、土踏まずの部分をグッと押し上げてくれて歩くととても心地よいです。
試着した程度ではあまり気がつかなかったのですが、歩いてみると支えてくれていることがわかります。
やりすぎ感はないので、好きな人が多いのではないでしょうか。
Allen Edmondsのパークアベニューが好きな方であれば、好きな感覚かと思います。
3.踏まずと2、3の甲でホールドしウィズは余裕あり
写真があまり説明に適しておらず申し訳ないのですが、比較的ウィズは余裕がある設計に感じます。
もちろん、余裕があると言っても左右に足が動くわけではないのですが、レージングカーフが柔らかいこともあり左右方向の締め付けはあまり感じません。
前述の通りふまずの支えがしっかりとしており、その上で2,3の甲のあたり、上図の水色枠のあたりでしっかりホールドされるような上下方向でおさえるイメージに感じます。
履き下ろしでもどこか痛くなることはなく、快適に履け、今後もついつい選んでしまいそうです。
4.かかとは少し余裕があるが、抜けることはなくついてくる
かかとはとても綺麗に作られているのですが、かかとがやや小さめの私には少し大きいかな?と感じます。
ですが、かかとが抜けることなくしっかりとついてきてくれるので、問題ではないかなと。
5.割れることを恐れない精神的な楽さ
特徴なのか?という気もしますが、やはりこれは大事なポイントだと個人的には思います。
ビンテージシューズは古くなればなるほど、アッパー、ライニング共に割れてしまうリスクが高くなります。
特にタンカラーのものは割れてしまうと結構目立ちます。
仮にクラックが入ってしまったとしても、Arch Keryyであれば自分が1から履いて育てた靴であるのもポイントかなと。
あくまで私の足で感じた特徴になりますが、オーダーを検討されておられる方の参考になればと思います。
まとめ
細かな点、例えば出し縫いの位置や糸のヨリなど、オリジナルと異なる点はありますが、かなり忠実に再現されたArch Kerryの靴。
外観に目がいきますが、しっかりと作られた靴は履き心地もよく、品質も非常に高い。
そして何よりビンテージシューズあるあるの「履いた瞬間割れてしまう」「帰ってきてブラッシングしたら割れているのに気がついた」などなど、それらを恐れずに履くことができる。
オーダー会は継続して実施されているようなので、気になる方はぜひ足入れしてみてください^^
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