数を減らしたこともあり、最近はビンテージシューズを履く機会が減ってしまっていますが、インスタやTwitterのタイムラインで流れるビンテージシューズを見るとやはり魅力的だなあと思います。
特に50sや60sのものを見ると、よく購入していたときの気持ちが蘇ってきてワクワクしてきます。
ただ、50sや60sのものとなると劣化は避けられず、クラックや裂けなどに注意しながら履かなくてはなりません。なので気軽に履くのは難しいものが多いのが難しいところ。
※そうではないものもたまに見かけますが^^;
ロングウイングやシボのPTB、Uウイングなど、アメリカビンテージシューズらしい靴はサイズの合うものも見つかり履いてきましたが、タンカラーのキャップトゥはFlorsheimのRamblerを始めWeyenberg、Crosby Squareと私の足に合うものはなかなか手に入らず、上記の年代的なこともあり体験できなくとも仕方ないと思っていました。
そんな折、確か昨年の12月ごろか年明けか、アメリカビンテージシューズのデザインやディテールを取り入れて再構築する、Arch Kerryさんが立ち上がると知り、
「これは…!」
と。そして本日、初の展示受注会が開催されたのでお邪魔してきました。展示の内容とオーダーしたものをご紹介いたします。
Arch Kerry(アーチケリー)について

前述の通り、アメリカビンテージシューズのデザインやディテールのエッセンスを再構築したドレスシューズブランド。
ディレクターの清水川さんはインスタでフォローさせて戴いており、多数の箱付きデッドストックをお持ちで羨ましい!といつも思っていました。本日初めてお会いしましたがとても気さくにご対応くださいました。ありがとうございます。
職人の舘さん、アッパーの縫製を担当されている女性の方とはお会いできませんでしたが、是非お会いしてみたいなあ。
詳細は私がここで書くよりも、見ていただいた方が魅力が伝わると思いますのでHPをご覧いただければと思います。
ビンテージシューズへの想いが存分に感じられ、デッドストックが手に入った時の気持ちや惹かれるディテールなど、本当にその通りで。どんなアーカイブが再現されていくのか今後も楽しみでなりません。
展示受注会にて

初の展示会は7/5と6に後楽園近くの安藤坂コインで12〜18時で開催。生憎の雨ではありましたが私は7/5の12:20ごろに伺いました。
正面には顔とも言える大東ロマン社のレージングカーフ、そしてずらりと並んだサンプルシューズを始め、ラストや箱、オリジナルのトップリフトなどArch Kerryを構成する要素が数多く展示されており、とても見やすく見応えのある内容でした。
サンプルシューズ
早速、サンプルシューズをいくつか見てみましょう。全てをご紹介すると長くなりすぎるので特に気になったものをピックアップ。


いきなり目に入ったのは5連ステッチのキャップトゥ。多重ステッチはビン靴ならではと思っていましたが、現在でも再現できるとは…!しかも非常に柔らかいレージングカーフを使っての5連ステッチは非常に縫うのが難しいと容易に想像できます。その一方で、柔軟性があるからこそこのステッチができるのだろうなとも。
今回の受注会ではオーダーシートに記載はないものの、オーダー自体はできるようです。


続いてブルースエードのホールカット。羽周りのステッチがアメリカビンテージ、そしてヒールはシームレスヒールです。羽周りのステッチなしのモデルでも注文可能です。
スエード以外にもスエード意外にコードバンのモデルもサンプルがありました。
チャールズFステッドのスーパーバックを使用したサンプル、インスタで見たときはこれもいいかも…とかなり惹かれ、実物見てさらに迷うことに^^;



キャップトゥのジェイナスカーフ(銀付きスエード)版、コンビのアルゴンキン、そしてUウイング。
銀付きスエードを使用することでカールエッジの処理ができたり、アルゴンキンのトゥが少し盛り上がっているのはDr.Schollをベースに再現しているそうで随所にこだわりを感じることができます。
どれもこれも素敵なものばかり。キャップトゥのブルースエードなんかもいいなあと、想像しては元々の狙いであるタンカラーのキャップトゥに気持ちを修正するのが大変でした^^;

吊り込み途中のものも展示されていました。奥のメッシュUウイングも素敵ですね〜。
ラスト

この角度からしか撮らなかったことが悔やまれますが、キャップトゥやホールカットに使われているARCHIE LAST、ツイストしており立体的なラストです。もう一つ、アルゴンキン用のラストもあります。
革

展示されていた大きな革は大東ロマン社のレージングカーフ。ビンテージシューズならではの色味であるタンカラーは別注だったかな?
とにかくびっくりするほど柔らかくて、今までに体験したことのない革です。もう一つ、コードバンも展示されていましたがこちらにばかり目がいってしまいました。
箱やトップリフトなど

こちらも当時を再現したオリジナルの箱。Shoes for Menの記載や品番とサイズのフォント、箱の色味まできっちりと。



10mm厚のアミアミラバートップリフトに小窓部分、そしてレザーのトップリフト。いやもう本当にこだわりがすごいです。Vクリートも選ぶことができるようです。
細かなところもオリジナルで作られているのがそのこだわりを如実に表していると思います。
ものを見れば見るほど、その魅力に引き込まれていきました。
オーダーはフラッグシップモデルのS-811



どれも魅力的でしたが、やはり初志貫徹でフラッグシップモデル、S-811をタンカラーで選びました。7アイレット、タンカラー、ああ、まさに求めていたもの。
何気に品番がS品番というところもビンテージシューズ好きにはたまらないポイントではないでしょうか。

事前にサイズをお伝えしていたため合うであろう7.5Dを出していただきました。早速履いてみると、シュポッという音と共に足がおさまります。
ランブラーなどは甲は低くてもかかと周りが緩く、そして履き口が笑ってしまうことがほとんどでしたが、ARCHIE LASTのこのサンプルは浮くことなく、そして程よいタイトフィッティング、かかとの抜けも全くありません。
かかととウィズで抑え、アーチの支えもあるアメリカビンテージシューズの履き心地に少し英国靴の要素が入っているかな?と感じるラストでした。

レージングカーフは非常に柔らかく、最初から足馴染みが抜群に良いです。ハーフサイズダウンの7Dでも入るくらいでした。
薄くて繊細な革という印象ですが、フィッティングサンプル用に使われた端の革でも履きじわはきめ細かく入りそうです。
まさにタンカラーのキャップトゥに使われているような革。それが国産のカーフでできていることが素晴らしい。
スタイルとサイズを決めたらあとは細かな仕様決めです。革、トップリフト、ライニング、目付け、出しぬいの色、コバの色、ヒドゥンチャネルかどうか、などを決めていきます。
革

色味やスムース、スエード、コンビの場合はメッシュなどを選択可能です。

レージングカーフの型押しもありました。ゴツゴツとしたシボではなく細かなシボでしたが、スムースのものよりは少し硬さが出てる感じ。
型押し共少し迷いましたが、スムースレザーを選択
トップリフト

トップリフトもランブラーなどと同じくアミアミラバートップリフトに。
ソール

こちらもランブラーなどと同じくオープンチャネルに。積極的にオープンチャネルを選択するのはビン靴ならではですね。
出しぬいの細かさをソールからも感じたい。
ライニング、出し縫、目付け
ライニングはファブリックとレザーが選択可能ですが、レージングカーフが非常に柔らかいので、少し硬さを持たせたくてレザーにしました。
機械縫いそのままの目付け 手作業での目付け
出しぬいはもちろんホワイト、ウエルトもブラウンのままで。目付けはアップチャージして出し縫いのピッチと目付けの幅を合わせてもらうようにしました。普通に使う分には差はないですが、ここは拘った方が良いかなと。
そんなこんなで基本を踏襲しつつ、実用やデザイン性を高めるようにオーダーし、トータルは給付金程度となりました。
うーん、とても贅沢な時間。行ってよかった。
参考:タンカラーのビンテージシューズ
今までに私が足入れしたビンテージのタンカラーの靴は以下の通りです。
いずれも微妙に大きく、履き口が笑ってしまい残念ながら少しはいただけの状態です…



まとめ

少々長くなりましたが、アメリカビンテージのリバイバル、Arch Kerryさんの展示受注会とオーダーについてでした。
完成はおおよそ4ヶ月後、レージングカーフのエイジングをはじめ靴単体ももちろん楽しみですが、何よりもタンカラーの靴を合わせるのが本当に楽しみです。オリーブドラブのベルトレスパンツにブレザーなんて合わせたら…などと妄想して待とうと思います。
ディテール含め詳細は届いたらまたポストいたします。
改めて、Arch Kerryさん、楽しい時間をありがとうございました!
※2020/7/13 グレージングカーフ→レージングカーフへと修正いたしました。
11/1 完成しました!
オーダーからおおよそ4ヶ月、S-811が完成しました!
以下のポストからご覧になってください^^


コメント
コメント一覧 (8件)
Arch Kerry すごいですね!
私、以前に何度か古靴の再現をオーダーで試みましたが、100%満足のいくものは作れませんでした。再現の難しさを実感しましたが、まるすけさん100%をオーダーされたんですねえ。ここまでの再現には相当な試行錯誤があったと思います。主催者と職人さんの努力はすごいです。
箱がまた良いですね。「shoes for men」が粋です。
ところで、私は最近人の後ばかり追ってるんですが(Iron さんのハソーンとか、たかよひさんのeverlasting とか)、今度はまるすけさんの後を追って、Lether Port さんに絡んじゃいました。「IRON ・・・」に手を出しました。詳細は後ほど。
なおけんたさん、コメントありがとうございます!
私はArch Kerryさんの企画力と実現力に乗っかっただけですが、本当に細部までこだわりが凄かったです。
ディレクターの清水川さんがビンテージシューズ愛好家だからこその靴だと思います。
Shoes for Men、いいですよねぇ。箱まで楽しみというのもなかなかないですし、私は箱付きデッドをあまり体験したことがないので尚更です。
IRON・・・楽しみですね!私も問合せしたくなっちゃいました笑
初っ端の5連ステッチ7アイレットにガツンとやられ、そのままサンドバック状態で記事を読み終わりました。
再現度がヤバ過ぎる。
これは訪れたら1足では済まないかもしれないので、展示会が東京で良かったかもと思うくらいです(笑)
でもやっぱり革の劣化を気にせず履けるバリバリのビン靴仕様の靴は1足欲しいです。
Ironさん、コメントありがとうございます!
やはり最初に5蓮ステッチにしたのは正解でした^^
キャップトゥはもちろんですがメッシュのUもありましたしホールカットもかっこいいし・・・今後ロングウイングなんかも企画されるとかしないとか・・・
きっと関西でもやられる時が来るのでは?と思いますのでぜひ!
まるすけさん初めまして。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
Arch Kerryさんの展示会、興味が有ったのですが予定が合わず行けなかったのでレポートして頂き有難う御座いますm(__)m
そしてインスタなどでは出ていなかったであろう多重ステッチのペアを見た瞬間、行けなかった事を強く後悔しています・・・。
小窓部分やアミアミヒールと、ビンテージシューズ好きには堪らない要素ばかりで、次の展示受注会が開催されたら是非お伺いしたいと思います(^^)
tomojinさん、初めまして!コメントありがとうございます。
ブログご覧いただきありがとうございます。私もtomojinさんのブログは以前より拝見させていただいております。
※実は何度かtomojinさんのブログにコメントをしようとしたのですが、Amebaの登録云々でなぜかうまくいかずで…
ビン靴がお好きな方であれば間違いなくワクワクする展示会で、本当に楽しかったです。
Ironさんにもコメント頂いていますが、革の状態を気にせずに履ける当時の再現靴となるとたまらないなあと。
ツイッターなどを見ているとどうやら毎月?展示会は実施されるそうです!新作も作っていく予定だそうですよ◎
今後とも、よろしくお願いいたします。
サボりがちな私のブログを見て頂き、ありがとう御座います(^^)
こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。
先程Arch Kerryさんのホームページを確認したら、8月に2回目の展示受注会を開かれる様です。
2日間の内どちらかには訪問出来ればなと思います。
tomojinさん、こちらこそよろしくお願いいたします!
みたいですね!木釘とかも相談はできるみたいですし、もし新しいモデルが出たりしたらもっと楽しい展示会になりそうですし。
もしオーダーされたら教えてください~◎