初めてのジャケットのビスポーク、完成編です。
7月の中縫いを経て9月中旬に完成連絡をいただき、出張のタイミングに合わせて9月末に受け取ってきました。
Taylor&Lodgeの6PLYでお願いしたブレザー、その生地を最大限活かす仕立て、ビスポークならではの会話を通じて詳細を詰めていくその工程。完成したジャケットのみならず、COLさんのアトリエでの経験は貴重で変え難いものとなりました。
仮縫い・中縫いの様子
仮縫い、中縫いそれぞれ簡単にですが以下に記載しています。ご参考まで。
完成したジャケットとご対面
COLに到着後、早速完成したジャケットを見せていただきました。仮縫い、中縫いの時とはまた違った、ついにできたのだという不思議な感覚。
一着目ということでずっと使えるベーシックなものを、ということで濃いネイビーでシンプルの極みのようなブレザーです。
ですがシンプルながらラペルや肩周りの立体感をみるとやはり只者ではありません。
このラペルの立体感…!!
同じく、この立体的な肩周り…!!
6PLYで520gmsという、硬く、厚みがありかつ重い生地ということもあり、副資材などは極力少なめに生地を最大限頼る仕立てということをおっしゃっていました。
持つとずっしりとした重みを感じるジャケットなのですが、着用してみるとまあ不思議、重さを感じません。すっと馴染む、という表現がぴったりのジャケットです。
生地が生地だけに、身体にあっていないとゴワゴワで着にくいこと間違い無いのですが、さすがCOLさんのビスポーク。しっかりと首から肩に沿い、腕をあげても変にジャケットが動くこともありません。
もう少し生地がこなれてきたら、のもう少しまでが長くかかりそうではありますが、よりフィット感も増してくるでしょうし私の生活に寄り添ってくれるであろうジャケットです。
受け取り後のお楽しみ
受け取り後はCOLさんおすすめの生地をいくつか見せてもらいました。今回はFOX BROTHERSの250周年記念のディレクターズカット。
今回頼んだTaylor&Lodgeを超える重さのフレスコや、
FOXフランネルのグレンチェックから、絶妙な配色のチェックにブラックウォッチ。
そして1番目を引いたのがこれ。グレンチェックにグリーンのオーバーペーンが入ったもの。通常のコレクションにはグリーンではなくブルーのペーンが入ったものはあるようですが、このグリーンはたまらんです。
これは逃してしまったら後悔すると思ったので後日取置きをしていただきました^^;
この生地を見せてもらう時間というのは楽しくもあり危険な時間でもありますね笑。
ジャケットの仕様・詳細
改めてジャケットの全景を。平置きしても立体感が伝わるでしょうか。
ゴージラインは高すぎず低すぎず、ラペルの幅も広すぎず狭すぎず、ちょうど良い塩梅で作っていただいています。
その他、主な仕様としては段返り3つボタン、フラップポケット、袖ボタン4つ、サイドベンツ、総裏地。無地とはいえ生地の主張が強いことと、長く飽きがこないものにしたかったのでごくごくシンプルにしました。
緩やかにカーブしたゴージライン、そしてバルカポケット。襟は一枚襟。
袖も雨降り袖には一切せずに。この辺りも会話を通じて、この生地を生かすにはどういう仕様にすべきか、といったところを決めていきました。
私の場合、明確に何が好みであるか、自分のスタイルがまだ決めきれていないこともあって基本的にはCOLさんのおすすめ通りに作っていただいています。COLさんではもちろん雨降り袖も作れるのですが、生地やその人のスタイルに応じて何がベストか、会話を通じて決められます。
すごく綺麗なフラップポケット。ほんの少しだけ台形型になっているところがたまりません。
手縫いのボタンホールに袖付け。COLさんのビスポークは、可動域を中心に手仕事を入れているそうです。
内ポケット裏についているこのタグもたまりませんね。素人ながら一つ一つ、どこを見ても素晴らしいと思う仕事に脱帽です。
素晴らしい着心地
納品から毎週のように着用しています。
散々述べているようにとても重く、硬い生地なので終日着用すると疲れそうですが全くそんなことはありません。生地がこなれてきたらもっともっと良くなるのだと思うと着込むのが楽しみです。
この生地、着込んで柔らかくなるのにどれくらいかかるのかわかりませんが、逆を言うと相当タフな生地であるため、出張の際にも着られる、いやむしろそういうハードな環境でこそ着用するべきものなのかもしれません。皺にもなりにくいですしね。
まとめ
初めてのジャケットビスポーク、あっという間に完成まで来ました。
仮縫い、中縫い、そして完成と回を追うごとに完成度が高くなっていく様、それを会話で作り上げていく様、大変貴重な経験となりました。
何度も気軽に頼めるわけではないのですが、スーツのビスポークも経験してみたいなと思いつつ、まずはこのジャケットを今シーズンたくさん着込んでいこうと思います。
改めて、COL KOBEの皆様、ありがとうございました!
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