既製靴の最高峰ともいわれる東欧ハンガリーの靴メーカー、VASSを久しぶりにご紹介します。
2020年のブラックフライデーセールの際に個人輸入したNorwegerというモデルです。今はもうびっくりするようなセールはやっていないのですが、当時は50%オフ、そして今よりも円高だったので相当お値打ちに手にできたものです。
(当時相当買っていますが、もっと買っておけばよかったと思ってます。特にP2ラスト)
U、K、F、S、P、P2とさまざまなラストに足入れして、履いていくうちに当時の感触とは異なるものも多く、今ではP2ラストがもっとも足に合い、頻度も高いです。次に好きなのが今回ご紹介するPラスト。いわゆるロベルトウゴリーニコラボのイタリアンラストではなく、VASSらしい、東欧靴らしいフォルムをしたラストの方が私の足にはあっていそうだなという感触になりました。
いつも通り、靴の詳細、サイズ感などをお届けいたします。ご参考になれば幸いです。
Norweger Pラストの詳細
今回ご紹介するNorwegerはこちら。外羽根の合わせモカUチップタイプの、カジュアル向けのシューズです。
他メーカーでいうとクロケットジョーンズのモールトンやジョンロブのバロスと似た靴ですね。ですがシルエットはシャープというよりはぼってりしており東欧靴らしいフォルム。
トゥのラインが東欧靴は独特でそこが好みの分かれるポイントかなと思います。
革はコニャックのスコッチグレインカーフ。シボの凹凸がはっきりしており存在感のある革ですが、見た目に反してとても柔らかい。
モカ部分もそのシボに負けないくらいの存在感があります。特にコニャックのこの色と随分コントラストがあるので好みはあ分かれそうなカラーですね。個人的にはソールの色とモカの色が合っていて、コニャックの明るさを少し落ち着かせてくれるので良いかなと。
出し縫いは他のモデルと同様にピッチは広めですが、革とモカ部分に負けないくらい太く存在感があります。
サイドビュー。
トゥのあたりの立ち上がりは東欧靴らしく、ヒールの丸みもとても綺麗です。
アッパーのステッチは全てダブルステッチが入っています。この辺りも革やモカの存在感に負けないようにバランスがとられているのでしょう。
バックビュー。
ヒールカップはそこまでぎゅっと絞られていませんが、この靴はその方がバランスいいですね。ステッチもダブルで入っていて履き口のあたりもしっかり補強ステッチが入ってます。
足の形に沿った流石の捩れ具合。
ソールはビブラムの1136、イエローのビブラムマークがいいですよね〜
このソールは初めてだったのですがダナーなど登山靴にも使われるものでしっかりしたグリップ力、適度なクッション性があり非常に履きやすいソールです。
純正シューツリー付き。今だとシューツリーは別売りになっているようです。
VASSのシューツリーは純正といえどピタピタのフィットというわけではないのですが、純正がついているかどうかは気分的に大きな違いですよね。
インソールのフルソック仕様はいつも通り。VASSはライニングの革も上質なものを使っている印象です。
プレメンテ
プレメンテは最近の定番方法である3日間プレメンテを実施しました。
今回使ったクリーム類は以下です。
- デリケートクリーム:サフィールノワール ナッパデリケートクリーム
- 保湿クリーム :モウブレイ ロイヤルクリーム
- 油性クリーム :サフィールノワール クレム1925
- ソール :ブートブラック レザーソールコンディショナー
元々柔らかい革でしたがメンテナンスでさらにもっちりしました。余談ですが最初のプレメンテ用にニュートラルのクレムは残しているのですが、乳化製クリームの仕上がりの方が好みになってきておりプレメンテ以降は基本的に乳化製クリームを基本にやっています。
この靴もロイヤルクリームをベースにメンテナンスをしていく予定です。
※3日間プレメンテは以下をご覧いただければ幸いです。
Pラストのサイズ感
プレメンテをしたのちに履き下ろし。
私はUK7E、US7.5D、25.5cmを選ぶことが多いですが、サイズは40(UKだと6に相当)を選びました。Pラストはローファーでも経験していますが、紐がある分こちらの方がフィット感が増しています。
とても気持ちの良いフィッティング、少しばかりボールジョイントあたりがタイトですが、問題になるほどではありませんしすぐに馴染むレベルです。
少し気になるのは履き口が少し笑っていること。このPラストにかかわらずVASSの靴と私の足だと、そのほかのラストでも履き口が笑います。ですが踵は抜けないですしそのほか辺に隙間を感じて気持ち悪いところはありません。
その他との靴のサイズ感は以下にまとめてありますのでご参考まで。
スコッチグレインカーフの革質
VASSのスコッチグレインカーフは初めてでしたが、見た目に反してとても柔らかい革で足なじみも非常に良いです。
履きじわもシボにありがちなガッツリしたシワは入らず、繊細なシワが入っています。
仕上げは染料ではなく顔料っぽいので、経年変化がどうなるかというところですが予想に反して良い革質で嬉しい誤算でした。
ワークシューズのように履ける靴
ソールの使用や革、デザインからドレスで綺麗に履くのではなくカジュアルに天候や場所を気にせずに履くワークシューズ的な位置付けで購入したのですが、その位置付け通りに活躍してくれてます。
娘と公園に行くときはもちろん、砂浜にも、そして雨が降っていても気にせず履くことのできる靴。なかなか私の手持ちの中にはそういった位置付けの革靴がないので、これからとても重宝しそうです。もっと早く履き下ろせば良かった…
まとめ
久しぶりのVASSのご紹介でした。改めて靴の仕様をまとめると以下になります。
モデル名 | Norweger |
革 | スコッチグレインカーフ |
ラスト | P |
ソール | ビブラム1136 |
付属品 | 純正シューツリー |
サイズ | 40 |
純正シューツリーも別売りに、さらに円安等の影響もあり当時のような価格では購入が難しいですがそれでもVASSの個人輸入は魅力的だなと今でも思いますし、何より良い靴だなあと。
(足に合っていると思ったけれど、会わずに手放したものもあるのですが^^;)
VASSの靴はエイジング等をお届けできていないので、また別途お伝えできればと思います。
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