新進気鋭!Filshoesでマッケイ×クロムエクセルのドレスシューズをパターンオーダー

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先月、Twitterのタイムラインにこんなツイートが流れてきました。


Filshoesさん、初めて聞く名前だなあと思っていましたが、オーダーベルトについて調べていた時にHPをのぞいたことがありました。

靴についてもHPをみてみるとマッケイをベースにした靴づくりをしているとのこと。

靴が好きになってからは当たり前のようにハンドソーンやグッドイヤーの靴ばかり求めていましたが、自信を持ってマッケイをおすすめされており、さらに革もドレスシューズでは珍しいホーウィンのクロムエクセルをベース。

まだ設立されて1年未満の新しいブランド、上記の他にはないところに惹かれて応募したところ選んでいただけたので早速、伺ってきました。

今回はFilshoesさんのご紹介と初の訪問、そしてオーダーまでをお届けいたします。

Contents

Filshoesについて

Filshoesとしてのスタートは昨年の9月だそうで、4人のメンバー全員が20代。

有名どころの底付けなどOEMもやってらっしゃるそうですが、先週も渋谷のLastLabさんでFilshoesブランドとして展示受注会をやられたり、Filshoesブランドの露出も今後増えてくるのではと思います。

コンセプト

高級靴・オーダー靴をもっと身近に普段から履ける実用的な高級革靴

http://filshoes.com/index.html


ブランドコンセプトはHPに記載されている通り、オーダー靴を身近に、かつ実用的に。

お伺いする前にHPを見て、このコンセプトがあって返りの良いマッケイや柔らかいクロムエクセルをベースとしていること、ユーザーの意志入れもでき、価格も抑えめを実現するために、ビスポークではなくRTWでもなくパターンオーダー・セミオーダーとしているかなと感じました。

そして靴の完成がゴールではなく靴を渡してからのお付き合いを大切にされているそうです。この辺りも身近に、というコンセプトに合致するものでしょう。

工房の場所

場所は最寄りは浅草駅、もしくは南千住駅から徒歩20分弱、様々な靴工房がひしめく台東区の清川。

靴修理の材料問屋さんなども周辺にはあり、靴といえば、の地域であることは間違い無いでしょう。

選べる仕様

今回はパターンオーダーですのでユーザーが選択できるものは主に以下の通りです。
※パターンとセミオーダーの差異はラストの調整とそれに合わせたパターン作成

仕様種類
デザインプレーン / ストレートチップ / ウイングチップ / ローファー / サイドエラ
内羽根 / 外羽根
デザイン細部メダリオン有無 / ネーム刺繍 など
革(アッパー)クロムエクセル / アノネイ(ボカルー・ベガノ) / スーパーバック / ジェイナスカーフ
ライニング国内レザー / デュプイ
底付けマッケイ / 9分
ソール仕上げオープン / ヒドゥンチャネル、カラス、色付けなど


アップチャージになるようなものでも、比較的安価です。また「主に」と記載しているのは、相談すればいろいろな対応をしていただけるためです。

ソール材も標準はイタリアのレザーですがレンデンバッハに変えた例もあるそうですし、ストレートチップのキャップを小さくするなどのパターン変更にも対応いただけます。

詳細はFilshoesさんのTwitterをご覧ください。

https://twitter.com/Filshoes/status/1234814771511193600

パターンオーダーの流れ

ここからは当日の流れについてご紹介していきます。大まかな流れは以下の通りです。

  • 足の採寸と困りごと(痛くなる箇所など)をヒアリング
  • フィッティングシューズを合わせる
  • デザイン、革など仕様の選択
  • フィッティングシューズで痛くなる箇所がないか再チェック
  • オーダー

足の採寸と困りごと(痛くなる箇所など)をヒアリング

まず初めに、足の採寸をして頂きながら、よく痛くなる箇所や気になることをヒアリングして頂きます。

測定とヒアリング後、甲の高さなど、数値を見るのではなく体積で確認してフィッティング用のシューズを選んでいただきます。

フィッティングシューズを合わせる

採寸とヒアリングが終わった後、合うであろうサイズのフィッティングシューズを出していただき合わせてみます。

私の場合は25cmでしたがかかとから踏まずまでしっかりとホールドされ、ウィズ付近はジャストながら締め付け感は感じない気持ちの良いラスト。元々アメリカの靴を参考にラストを作成されているそうです。

この後、デザイン決定までの時間履いてみて、ある程度馴染んだ後に問題ある箇所が無いかをチェックします。

デザイン、革など仕様の選択

個人的に、ここからが一番オーダーで楽しい時間。今回は宿泊出張に履いていくときに楽に履ける靴にしたい、をテーマに事前に構想を練っておきました。

どんなシーンで履きたいか、だけでも構想を練っておくとスムーズ。サンプルシューズを見せてもらいながらデザインを選択します。

底付はブランドアイコン的なマッケイをもちろん選択。デザインはストレートチップと迷いましたが、内羽根のプレーントゥがすっきりしてカッコ良かったため内羽根のプレーンに。

そしてFilshoesおすすめのサイドエラ(左の赤い靴)をつけました。

出張時には何かと脱ぎはぎがありますので、やはり便利。内羽根プレーンの形でサイドエラスティックはなかなかないのでオーダー感が出るのも◎

次はアッパーの革。左からC.F.ステッドのスエード、スーパーバックにジェイナスカーフ。真ん中がアノネイのボカルーとベガノ、そしてホーウィンのクロムエクセル。

こちらもFilshoesおすすめのクロムエクセルのブラックに。ドレスシューズにはあまり使うことのない革ですが、傷もブラッシングで隠しやすいということもあり、出張時には最適だなと。

ちなみに、ベガノを選べば染色することも可能で上図の赤い靴なども作っていただくことが可能です。

次はライニング。国産のものが標準で、ベージュの素仕上げのものか、画像にある顔料仕上げのカラーのものか。またデュプイのものも選べます。

いつもベージュのライニングが多いので、こちらは左下のバーガンディを選択。色付きのものでもアップチャージなしは嬉しい。

続いてソール。出張で履く、ということもありビブラムのラバーを。

と思っていたのですが、マッケイといえば返りの良さが特徴でラバーよりもレザーの方がその特徴はより活きるということをアドバイスいただき、さらにマッケイでもヒドゥンチャネルが可能で非常に綺麗だったことからレザーソールを選択しました。

ある程度履いたらハーフラバーに、というパターンでも良いですしね^^

続いては細かなデザインを。セミブローグの靴が一足もないのでメダリオンはつけたいなと思っていました。トゥのメダリオンの基本のパターンは上記の4つ。

メダリオンの穴の色もアクセントとして変更することができますが、今回はパターン2、色も黒を選択。

そしてヒールにもいくつかメダリオンのパターンがあり、入れることができます。

Filshoesはシームレスヒールが標準になるので、アクセントで装飾が入れられるのは嬉しい。私もサンプルシューズの形で入れてもらうことにしました。

そして最後に、マッケイならではのものとして、コバの張り出しを最小限にすることができます。

写真が悪く申し訳ないのですが、左の赤いサンプルのように極限までつめるか、右のサンプルのようにコバを張り出すか。

ここもマッケイならではのものを選択しようか迷ったのですが、コバ張り出しの方がバランスよく見え、コバがあった方がアッパーに傷も入りにくくなるということもあり、張り出しを選択。



ここまででデザインや仕様も決定します。
と、簡単に書いていますが、メダリオンのパターンなど結構迷うところもあり時間がかかるところもあったのですが、急かすことなくじっくりと話を聞いてくださったのでとても安心して仕様を選ぶことができました。

フィッティングシューズで痛くなる箇所がないか再チェック

時間が経って足に痛いところがないかサイドチェックしていただきます。

このフィッティングシューズもマッケイ×クロムエクセルで作られており、馴染みは抜群。

唯一、マッケイの糸が足に当たるのが気になったのですが、制作する靴ではしっかりと糸を叩いて気にならないようにしていただけるとのこと。

オーダー

最後に、オーダー表を見ながら仕様の最終確認をし、オーダー完了です。

納期は2ヶ月。そして、完成までの工程表を後日送付いただき、進捗報告もしてくださるそう。

これもオーダーした側としては、自分の靴が今どんな状況なのかも楽しむことができ、非常に良いサービスだなと思います。

オーダー以外にも

甲が薄め、立体的なラスト

単にオーダーの仕様を決めるだけではなく、使っているラストを見せていただいたり

なかなか見ることのできない作業場を見せていただいたり、

靴の構造がよくわかるスケルトンの靴を見せていただき、Filshoesがつくる靴の思想も教えていただきました。とても楽しい。



そしてスケルトンの靴を見せてもらった後に、コンセプトについてお伺いしてみました。

身近に、実用的に、そうするためにマッケイとクロムエクセルを提案しているということですが、マッケイというとグッドイヤーと比較すると耐久性などの面で劣っている、といったこともよく聞きます。となると実用面で?がつく気もするのですが、

「マッケイもしっかり作ればオールソールは十分可能で、そういった誤解をオーダーを通じて解いていきたい」

とおっしゃっていました。Filshoesの靴は9分で使う5mm厚の中底を使い、そしてコルクも少し入れているそうです。中底がしっかりしていれば、オールソールにも十分耐えられ、3回オールソールしている靴もあるのだとか。

靴の完成がゴールではなく、渡してからの付き合いを大切にする、というのは靴の作りへもそのコンセプトが浸透しているのだと感じました。

こういった、作り手の思いをじっくり聞くことができるのも浅草界隈の工房で靴を作る醍醐味だなあと。他にもいろいろな話をさせてもらって、改めて応募して良かった。

完成が楽しみ

完成は2ヶ月後、ですが途中途中で進捗報告もいただくのであっという間に感じられそうです。

オーダーと完成、だけではなくオーダーから完成、そしてその後も。そのコンセプトをお伝えできるように、また続報をお届けいたします!

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コメント

コメント一覧 (2件)

    • そろそろさん、コメントありがとうございます!

      私、靴を本格的に買うようになってからマッケイは買ってないので、ほぼほぼそれが決め手だったかもしれません。
      靴棚は作りましょう!

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