またまたシャツ。
そしてまたイタリアのシャツ。
ですが今回は南イタリアに位置するナポリのシャツではなく、北イタリアに位置するボローニャのFRAYのシャツです。
ご存知の方も多いかと思いますが、既製のシャツとしてはFRAYは最高峰と謳われることも多いブランド。その分値段も可愛くないのですが^^;
1度は試してみたいと思っていたFRAYのシャツですが、銀座のSTRASBURGOで今時期使えそうなコットンリネン、そして柄もベーシックなロンドンストライプのものがセールにかかっていたので迷わず購入。
故・落合正勝氏が愛したというFRAYのシャツをご紹介いたします。
FRAY(フライ)について
1962年にボローニャで、ルチア・パシン・ランディさんによって創業されたFRAY.
既製シャツの中でも最高峰と謳われる同ブランドですが、以下の特徴があります。
- マシンメイド
- 最高級の生地(カルロリーバ、アルモ)
- パターンとカッティング
そして、もう一つ。高い。
シャツ1枚で5〜6万します。
※南イタリアよりも北イタリアの方が人件費が高いから、という記載もみかけたことがありますが果たして真偽のほどは?
ですが、その価格に見合う品質が伴っているとされ、故・落合正勝氏もシャツはビスポークにも負けないとしてFRAYのシャツを選んだくらいだそうです。読んだことのある書籍では、航空機での移動など長時間の移動ではFRAYのシャツ(あとブリーニ)を着用して身体への負担がまったくなかったということを述べていました。
イタリアのシャツというとハンドの柔らかい仕立てが真っ先に思い浮かびますが、FRAYのマシンのシャツはどうでしょうか。
FRAYのコットンリネンシャツ
ライトブルーのロンドンストライプ、セミワイドカラーのベーシックなシャツ。
生地はアルモのコットンリネンでリネン30%の混紡です。滑らかすべすべ、ざらつきは一切なくコットンリネンとは思えない生地。
ブリーツはなしですが背中にダーツが入っており、ウエストがギュッと絞られ、綺麗なシルエットです。
この写真でも襟の形が綺麗だということがわかるのですが、各パーツの詳細をみてみます。
まずは襟。
ボタンを開けて、適当にハンガーにかけた状態ですが、躍動的な襟。
ネクタイを閉めた方が様にはなると思いますが、コットンリネンということも相まってノータイでも。
フラシ芯でアイロンをかける際に生地のだぶつきがなく非常にかけやすいです。この点、LES LESTONのシャツも同様ですが気持ちよくアイロンがかけられます。
次は運針。
FRAYのシャツは驚異的な運針ということで有名。その通りの縫製の細かさ。
襟のところの運針は10cmに11〜12針と今までみた中でも最も細かい。もちろんまっすぐと、マシンで丁寧に作られていることがこの襟だけでも伝わります。
次は袖付。
写真がありませんが前振り袖、それよりも袖と見頃の縫いシロが狭いのが今まで着用してきたシャツとの違いです。
10mm程度とっていることが多く、ボレリやバルバなどは脇に行くにしたがって細くなって行くのですがFRAYは6mmほどのシロで肩山から脇までぐるり。
ここが細い方が突っ張る部分も少なく着心地には良いでしょうね。細いと作るのが大変なのかな…?
ナポリのシャツとうって変わるのがギャザー、いせのなさ。
同じイタリアでこうも違うのかと驚くばかり。特に前回のBORRIELLOと比べるとその差がはっきりします。
次はヨーク。
ロンストでスプリットヨークかと思いきや1枚、さらにコンストラクションヨークかと思いきや、背面にはステッチ。
これまた運針は細かく乱れがない、それなら見せてくれと。
そして袖。
ラウンドカフ、剣ポロに向かって2つのプリーツ、そして裾に近づくに連れて細くなるカフス。
最後にボタン。
ボタン自体は厚みは2mmほど、鳥足でもありません。
ボタンホールも恐ろしいほどミシンを走らせていそうな密度、下から2番目のボタンホールは横一文字になっており、タックインしたときの動きやすさを考慮する場合の仕様になっています。
詳細をみてみると、
・マシンメイドらしくかっちりとつくられ堅牢な印象
・肌触りの非常に良い高品質な生地
・ウエストの絞り、襟の形など随所にみられるカッティングのよさ
上記のことがみて取れました。着用するとどうでしょうか。
着用感・サイズ感
Shirts : FRAY
Tie : E.G.CAPERRI
Pants : GERMANO
リネン混のジャケットとネクタイも合わせてみた図。
ベーシックなロンドンストライプのシャツということもあり、ジャケットやネクタイ への対応範囲も非常に広いです。
襟の形は本当に綺麗だし、先も少し長いのでジャケットからピンハネする心配もなさそうです。
シャツの全体像が見えずで申し訳ない(今後差し替え予定です)のですが、ノータイで着用するとこんな感じ。
いつも通りの39を着用して、窮屈になるところはなく、特に脇の下に一切のゴワツキを感じません。
袖と見頃の縫代が狭いことも一因としてあるでしょうし、パターンが私にあっているのかな。
生地が良いことも相まって着用していて気持ちの良いシャツです。これは購入して良かった。
まとめ
既製シャツの最高峰といわれるFRAYのシャツのご紹介でした。
まだこのシャツの魅力を存分に語れるほどの知識も経験もないですし、ホイホイと買える価格のシャツではないのですが、いずれポプリンの白シャツも欲しいなあと思います。
ここまでイタリアのシャツを随分とみてきましたが、鎌倉シャツのオーダーともう一つ国内でオーダーしています。この2着でビジネス用のシャツはなんとなく、自分に合うものがわかるのではと思っています。引き続きお付き合いいただければ幸いです^^
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