シャツとダンスに感化され、久しぶりに鎌倉シャツを購入しました。
今回はRTWではなく、鎌倉シャツでは初めてのパターンオーダーです。
鎌倉シャツは39-83というサイズを選んでいて、私の身体にパターンもよくあっており着用感も好きです。ですが私は身長の割に腕が長いため、袖丈が83cmだと短く…
39-87というサイズ展開もあるのですが、39-83よりは展開が少なくさらに少し長い。
袖丈を調整してもらうのも手ではあるのですが、鎌倉シャツのパターンオーダーはRTWに負けじ劣らずのコストパフォーマンスの高さ、ということもあり1着お願いしてみることにしました。
このポストでは鎌倉シャツのパターンオーダー(MTM:Made To Measure)について、注文の流れや納期なども含めてご紹介いたします。
鎌倉シャツのパターンオーダー(MTM : Made To Measure)
一般的にはパターンオーダーは基本の型があり、一部の寸法を顧客のサイズに合わせて変更する注文方法。
変更できる箇所にもよりますが、基本的には既製品よりもより顧客にあったサイズへとフィットさせることができるのがメリット。
『メイド トゥ メジャー(MTM)』――「サイズをお測りして、そのあと、製作いたします。」という意味であり、「お客様の“好きなデザイン”あるいは“お好みのシャツ”をお作りします。」ではありません。
https://www.shirt.co.jp/column/cat1/76/
お客様はシャツあるいは洋服のプロではありません。
その方が“望む服”をお作りする事は、私たちにとって正確にはサービスとは言えません。西洋で発達した洋服文化、特にメンズウェアにはルールが存在します。そのルールから外れたデザインを要求されても、それは究極、お客様の為にならないのです。
(中略)
すなわち、お客様に既製服では味わう事の出来ない“ルールに則ったジャストサイズ”を提供しご着用いただける事。それがMTM の魅力なのです。
(中略)
私たちの使命は、「日本人にもっとお洒落になっていただき、国際社会の場面で活躍していただく。そして、そんな方々を応援する。」事です。お客様が望めば…売り上げになれば…何でもお作りします。と言う事は出来ません。そしてプロとして、本当にお客様の為になる『メイド トゥ メジャー(MTM)』をお勧めさせていただきたいのです。
鎌倉シャツの貞末会長のコラムにパターンオーダーには上記のように書かれています。
要約すると、ルールに則ったシャツを顧客のサイズにあった形で提供するための手段として、MTMを。ということでしょうか。(ついつい、変則な部分を入れたくなってしまう私には耳が痛い^^;)
シャツとダンスにも顧客起点の精神がいろいろなところからみて取れましたが、MTMに関しても本質的に顧客のためになることは何か、ということを感じます。
注文:生地選び・採寸・仕様決め
ここからは実際の注文の流れを記載していきます。
鎌倉シャツのパターンオーダーは基本的に全ての店舗で注文可能で、予約なども特に必要ありません。
私は丸ビルの鎌倉シャツで「パターンオーダーのシャツを注文したい」旨を伝えたらすぐに対応していただけました。
生地選び
まず初めに生地を選びます。鎌倉シャツのオリジナルの生地からTHOMAS MASONまで、種類はかなり豊富です。
私の場合、事前にオンラインストアで生地の目星を付けていきましたためあまり悩みませんでしたが、例えば白の無地だけでも織り方、番手、素材と豊富にあるので迷う場合は店員さんに相談すると良いと思います。
今回は濃いネイビーのロンドンストライプが1枚もなかったため、色柄はそれで決まり。
鎌倉シャツお得意の200番手、とも思いましたがTHOMAS MASONの120番手のブロード地と同価格だったのでTHOMAS MASONを選びました。
インポート生地の中ではTHOMAS MASONが一番豊富なようです。
採寸
生地が決まったら採寸です。
採寸箇所は、首回り、肩幅、脇下胴囲、ウエスト、袖丈、手首周りだったかと思います。
39-83で袖丈がいつも短いなどを伝えつつ、手際良く5分程度で終了。
仕様決め
襟やカフスなどと、採寸結果を元にサイズも詰めていきます。鎌倉シャツのパターンオーダーで変更できない部分は、脇下の身幅。
そのため、スリムフィットかクラシックフィットどちらかでベースになるシャツサイズを選び、そこから仕様を変更していきます。
変更できる箇所と今回の調整結果は以下のようになりました。
変更箇所 | 選んだ仕様・サイズ |
ベース | スリムフィット・39サイズ |
襟形 | スプレッド |
カフス | 円錐カフス |
前立て | 裏前たて |
ポケット | なし |
イニシャル | あり |
ネックサイズ | 38cm(基準から-1cm) |
裄丈(左・右) | 85.0cm・85.5cm |
カフス幅(左・右) | 19.5cm(基準から-1.5cm)・18.5cm(-2.5cm) |
肩幅 | 47cm(ベースから+1cm) |
ウエスト | 94cm(基準から-2cm) |
着丈 | 79cm(補正なし) |
肩幅をプラスし、ウエストは絞る、カフス幅の右側は最小サイズにしてもらいました。
こうしてみるとパターンオーダーでもかなりの箇所を調整できるのだなあという印象です。襟形なんかも10種類程度あるし、裄丈も左右で変えられるしで。
と、このような流れで注文完了し、仕様表を受け取って終了となりました。生地選びなどにどれだけ時間をかけるかにもよりますが、私の場合は30分ちょっとでした。
納期と価格
ポケットやイニシャルの有無で価格が前後することはなく、選んだ生地で価格が決まります。
私が選んだTHOMAS MASONは税込み¥13,200とTHOMAS MASONとしては割安感があります。通常のオリジナル生地だと¥10,780なので¥2,000ちょっとでTHOMAS MASONにできるとなると、よりそう感じます。
また、納期に関しては通常2週間で、私はお盆休みを挟んだので3週間と言われましたが、結果的には2週間半で届きました。納期の速さも嬉しいポイントです。
出来上がったシャツ
注文してからあっという間に届きました。柄物の中では非常にベーシックな濃いネイビーのロンドンストライプのシャツ。
平置きしてみると、肩幅を大きくしてウエストを絞ったのでYに近い形。いつも見る鎌倉シャツとは違って見えて少し違和感はあります。
カフスは円錐カフス、この写真だとわかりづらいのですが右のカフス幅は最小にしたのでかなり細いです。
綺麗な立ち上がりの襟、そして運針は10mmで8針ほど。この辺りはRTWの鎌倉シャツと変わりありません。
鎌倉シャツは元々が丁寧に作られているシャツなので、縫製の丁寧さや丈夫さなどは折り紙付きでしょう。
着用感
撮影したのちに早速着てみました。
まだ生地に硬さがあるので硬い雰囲気がありますが、平置きで感じた違和感は着用して見ると当然の如く解消されました。
肩幅もあっており前屈みになったときの窮屈さも少なく、ウエストも絞ったため余計なブラウジングもありません。
また、袖丈も手首の先までしっかりとあり、元々ネックになっていた袖丈の短さも解消されています。
ちょうど久しぶりの出張があったので早速おろしました。新幹線に乗った長距離移動でも肩が凝ったりしないか、窮屈だと起こる不調が起きないか確認しましたが、全く問題ありません。
余談ですが、無地のネクタイにもよく合うのですが、個人的にはロンドンストライプにはペイズリーを合わせるのが好きです。
着用感の面だけでなく、今後いろいろなコーディネートを楽しめそうでワクワクしました^^
まとめ
THOMAS MASONを選んだこともあり価格はRTWの倍近くになりましたが、ちょっとしたサイズ調整でより身体にフィットするものが手に入るのがパターンオーダー(MTM)の魅力。
不定期?で¥13,200の生地2枚で¥19,800になるパターンオーダーのフェアがあったり、虎ノ門にはDJAのシーアイランドコットンでオーダーできたりするようで、元々着用感が気に入っていたこともあり、今後鎌倉シャツを買うときにはパターンオーダーを第一候補にしようと思います。それくらい気に入りました。
鎌倉シャツは好きなんだけど、ちょっと調整したい箇所がある方はぜひ一度試してみてください^^
コメント